築100年を越える建物の存在感
素材の持つ力
古き時間と新しき時間との重ね合わせ
落ち着きのある時間と重厚感

場所は、大阪府堺市。
高速道路の高架がある大通りから、一方通行の小道に入り
住宅が建ち並ぶ一角にある。
建物は、明治3（1870）年に瓦師丹治利右衛門が創業した、
民間第一号となる煉瓦製造会社の事務所として建設された。
（「大阪府の近代化遺産」にて掲載）
その後、所有者が何度か代わったが、クライアントより
この建物を後世にも残したいという思いからプロジェクト
がスタート。工事着工までに2年半という月日が流れ、
ようやく工事が始まった。当時のままの雰囲気を大切に思い、
以前の所有者により手を加えられていた部分を、まずは
削ぎ落す作業となった。その後、煉瓦壁の補強・大黒柱の
入れ替えなど緊張感のある作業へと移行する。
そしてヒトツヒトツ吟味した新しいモノ（時間）
を重ね合わせ、ようやく「創作イタリアン　丹治」へと完成。
築100年を越えるケンチクが、2018年7月に登録有形文化財
として登録されることとなった。
これから先も文化を生かすケンチクとして、生き続ける
ことを切望しています。